家をかりる、くらす

さりげなくルームメイトのブラと、私の剣道用の手ぬぐいが写っている。

留学2年目は、大学のポータルでルームメイトを見つけ、Craigslistでとても条件のいい家を借りた。学校に近く、月750ドル、庭付き、エトセトラ。2人で750ドルだから、ひとり375ドル。土地があるってすばらしい。

ルームメイトが下見の写真を送ってくれたとき、私は東京でインターンをしていた。タイルばりされたアーチと、広いキッチンを見て、一瞬で惚れた。

同じくCraigslistで見つけた25ドルのソファ、前の家からひきついだ家具。私のルームメイトはピアノを専攻していて、リサイタルがあると大量の花を持って帰ってきてくれた。それを丁寧にいけるのが好きだった。私たちなりに、豊かに暮らしていた。

隣の家の猫、ルーシーはよくあそびにきて、我が物顔でいすわった。ルームメイトの友達も、私の友達も、遊びにきて、色々な話をした。音楽の話をたくさん聞いた。剣道の話もした。そして人生について、文化の違いについて、愛や恋について、たくさん語った。

ルームメイトはクリスチャンだった。私が親友と大きなケンカをしたとき、彼女は聖書を引用してこう言った。「昔は大切にしても、今の自分によくないのであれば、その古い人との関係は服のように捨てていいんだよ。新しい服を着なさい」(エペソ人への手紙4章22ー24節)

その友達を大切にしないことですらつらかったけれど、服に例えられて心が軽くなったのを覚えている。宗教って人を救うんだなあと初めて実感した。